歴史的な背景から、早くから環(huán)境問(wèn)題への関心が高い三重県。三重県 環(huán)境生活部の外郭団體として、1977年に設(shè)立（*1）されたのが三重県環(huán)境保全事業(yè)団（事業(yè)団）です。環(huán)境汚染を防止し、生活環(huán)境の向上を図るとともに、自然環(huán)境を保全等するため、環(huán)境保全事業(yè)を通じて県民の健康で文化的な生活の向上に寄與することを目的とした団體です。事業(yè)団では、2013年頃からPFAS（ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総稱）の分析を受託しており、水道水、環(huán)境水、排水、土壌、作業(yè)環(huán)境、排ガスなど、様々なサンプル中のPFAS分析の実績(jī)を積み上げてきました。事業(yè)団の科學(xué)分析部 部長(zhǎng) 古川 浩司 氏、同部 第一分析課 課長(zhǎng) 瀬古 直樹(shù) 氏、同部 第二分析課 企畫(huà)開(kāi)発チーム チームリーダーの橋本 真 氏に、PFASを中心とした事業(yè)団の科學(xué)分析事業(yè)について伺いました。

*1 財(cái)団法人として設(shè)立。2013年に一般財(cái)団法人に移行

まもなく設(shè)立50年を迎える三重県環(huán)境保全事業(yè)団ですが、その前身は社団法人 三重県環(huán)境衛(wèi)生検査センターです。1967年の設(shè)立當(dāng)初は他に検査機(jī)関が少なく、三重県內(nèi)の水道水の検査を一手に引き受けていたと言います。事業(yè)団のなかでも科學(xué)分析事業(yè)は最も歴史の長(zhǎng)い事業(yè)です。その事業(yè)団の科學(xué)分析事業(yè)において、最近、特に依頼が増えているのがPFAS分析です。

PFASとは、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物のことで、その數(shù)は數(shù)千種類とも1萬(wàn)種類以上とも言われています。これらの有機(jī)フッ素化合物は、その難燃性、耐油性、耐水性などの特徴から、日用品から工業(yè)製品まで、幅広い製品で使用されてきました。自然には分解しにくく、人體や環(huán)境に長(zhǎng)く留まることから「永遠(yuǎn)の化學(xué)物質(zhì)」とも言われます。人體や環(huán)境への影響が懸念されており、近年、その製造?輸入が規(guī)制されたり、水道水などの管理目標(biāo)が設(shè)定されたりしています。

事業(yè)団では「PFAS」という言葉がニュースなどで取り上げられることの少なかった2013年頃から分析を行ってきました。「當(dāng)時(shí)はPFASの分析依頼を受けることはまれでしたが、將來(lái)的に重要なテーマになると考え、分析手法の開(kāi)発などを進(jìn)めていました」と、古川氏は振り返ります。その後、歐州を中心にPFASの規(guī)制が進(jìn)み、現(xiàn)在では日本でも水道水について、PFASの水質(zhì)管理目標(biāo)が設(shè)定され、公定法も定められるようになりました。さらに、2026年4月からは、PFASの濃度が水道法上の水質(zhì)基準(zhǔn)へと引き上げられ、PFAS分析のニーズはますます高まることが見(jiàn)込まれます。

PFAS分析の課題とは？

公定法により、使用する裝置、分析手法、測(cè)定項(xiàng)目等が明らかな水道水は、比較的容易にPFAS分析を行うことができます。しかし、製品や材料中のPFAS分析では技術(shù)的に難しい要因がたくさんあるほか、かなり低い濃度までの分析が求められることが多いと言います。古川氏は、「抽出工程の違いにより、分析機(jī)関によって分析結(jié)果がばらつくことがあります?！工妊预い蓼?。また、材料は千差萬(wàn)別なので、ある材料ではうまく機(jī)能する抽出方法でも、他の材料には適用できないこともあります。これ以外にも、凍結(jié)粉砕の方法によって結(jié)果がばらつくこともあります。古川氏は、「事業(yè)団では、このような情報(bào)を積極的に発信し、材料メーカー様や最終製品メーカー様などの理解促進(jìn)に努めています?！工仍挙筏蓼?。

PFAS分析における三重県環(huán)境保全事業(yè)団の強(qiáng)み

様々な分析機(jī)関がPFASの分析を行うようになってきていますが、事業(yè)団の強(qiáng)みは何でしょうか？

その1つとして、「オーダーメイド試験」が挙げられます。オーダーメイド試験とは、お客様の要望の試験をお客様と相談しながら決めていくものです。瀬古氏は「お客様の目的をしっかり把握できるよう、しっかりコミュニケーションをとることを心がけています」と話します。たとえば、作業(yè)環(huán)境のPFAS測(cè)定は、お客様からの要望に基づき、オーダーメイド試験として始めたものです。また、排ガスのPFAS測(cè)定についてもオーダーメイド試験として始めたものがあります。事業(yè)団では、當(dāng)初は日本の環(huán)境省の仕様のみに対応していましたが、お客様からの要望により、US EPA（米國(guó)環(huán)境保護(hù)庁）仕様の複雑な方式にも対応するようになりました。橋本氏は「海外の規(guī)格なども含めて、最新の情報(bào)を入手するように心がけています」と話しています。

もう1つの強(qiáng)みが「多成分のPFASおよび関連物質(zhì)の分析に対応する點(diǎn)」だと言います。PFASには數(shù)千から1萬(wàn)種類以上の化合物がありますが、これまでもお客様の要望にあわせて、分析できる化合物の種類を増やしてきました。古川氏は、「お客様のご希望される測(cè)定項(xiàng)目について、クロマトグラフィー分析で対応可能であり、かつ標(biāo)準(zhǔn)物質(zhì)の入手が可能であれば、積極的に分析方法の検討を進(jìn)める方針としています。標(biāo)準(zhǔn)物質(zhì)が手に入らない場(chǎng)合でも代替案を提案できるよう心がけています。なお、この方針はPFAS分析に限らず、その他の環(huán)境負(fù)荷物質(zhì)に関するご相談についても同様に対応しています?！工仍挙筏皮い蓼?。

PFAS分析で活躍する分析機(jī)器

事業(yè)団ではトリプル四重極 液體クロマトグラフ質(zhì)量分析計(jì) (LC/MS) を6システム保有し、そのうちPFAS分析用として3システム使用しています。PFAS分析用として使用している3システムのうち、2システムはアジレント製のトリプル四重極LC/MSです。2023年に導(dǎo)入した「Agilent 6470 トリプル四重極 LC/MSシステム」と、2024年に導(dǎo)入した「Agilent 6475 トリプル四重極LC/MSシステム」の2機(jī)種です。6470は主に材料中のPFAS分析に使用しています。當(dāng)初6475は農(nóng)薬のスクリーニング分析やその他の材料分析などを行うために導(dǎo)入しましたが、現(xiàn)在は分析依頼が急増したPFAS分析に使われることが多く、特に排ガス等、汚れの多いサンプルの分析に用いられていると言います。アジレントのLC/MSを使用する理由について、古川氏は「感度が十分であれば、ソフトウェアの使いやすいアジレントの裝置を選びます。また、我々は分析裝置を酷使しますが、アジレントの裝置は堅(jiān)牢性が高く汚れに強(qiáng)いですし、自分でメンテナンスできるところが多いのも選定した理由です。」と話します。また、質(zhì)量分析計(jì)の前段に取り付ける液體クロマトグラフ (LC) については3システムともアジレントのInfinity LCを使用していますが、その理由は「キャリーオーバーが少ないから」（古川氏）といいます。

PFAS専用機(jī)となっているAgilent 6470 トリプル四重極LC/MS

排ガス等、汚れの多いサンプルのPFAS分析に使用されているAgilent 6475 トリプル四重極LC/MS

かつてはPFASの測(cè)定に用いられていたAgilent 6460 トリプル四重極LC/MS。事業(yè)団では、PFAS用とそれ以外の用途を含め、アジレントのトリプル四重極LC/MSが４システム稼働中です

事業(yè)団では、PFAS分析にガスクロマトグラフ質(zhì)量分析計(jì) (GC/MS) も使用しています。フルオロテロマー化合物やペルフルオロアルキル基を有する化合物など、PFASおよび関連物質(zhì)の中には、GC/MSで測(cè)定するのが適した化合物もあるからです。古川氏は「多成分のPFASおよび関連物質(zhì)の分析に対応できるのが當(dāng)事業(yè)団の強(qiáng)みです。これまでもお客様の要望に合わせて分析できるPFASおよび関連物質(zhì)の項(xiàng)目數(shù)を増やしてきましたが、今後もその種類を増やしていきます?！工仍挙筏皮い蓼?。

フルオロテロマー化合物やペルフルオロアルキル基を有する化合物などは、トリプル四重極GC/MSで分析

事業(yè)団の持つ知見(jiàn)を共有して、環(huán)境保全につなげる

三重県環(huán)境保全事業(yè)団では、環(huán)境保全への貢獻(xiàn)を目的に、業(yè)務(wù)や他の機(jī)関との共同研究などで得られた知見(jiàn)を、學(xué)會(huì)発表、セミナー、雑誌への投稿、大學(xué)での講義などをとおして、社會(huì)に共有しています。アジレントも同じ考え方を共有しており、 “Let’s bring great science to life” （科學(xué)の叡智を、生活と生命へ）というメッセージを発しています。PFAS分析に関して、アジレントは様々な分析ソリューションを提供しているほか、ウェブサイトやアプリケーションノートなどを通じて情報(bào)発信を続けています。

PFASのほか、現(xiàn)在、製品検査において受託業(yè)務(wù)が増加傾向にある物質(zhì)として古川氏が挙げるのが、難燃剤、可塑剤、潤(rùn)滑剤などに使われる「塩素化パラフィン」、塩素系難燃剤に使われる「デクロランプラス」、紫外線吸収剤「UV-328」です。これらの分析においてもすでに実績(jī)があると言います。古川氏は「POPs（殘留性有機(jī)汚染物質(zhì)に関するストックホルム條約）で規(guī)制対象物質(zhì)に追加された物質(zhì)の分析には迅速に対応していきます。得られた知見(jiàn)は積極的に発信していくので、ぜひ環(huán)境保全に役立てていただきたい」と締めくくっています。

一般財(cái)団法人 三重県環(huán)境保全事業(yè)団 所在地：三重県津市河蕓町上野3258番地 創(chuàng)業(yè)：1977年（「財(cái)団法人 三重県環(huán)境保全事業(yè)団」として。2013年に「一般財(cái)団法人 三重県環(huán)境保全事業(yè)団」に移行） 事業(yè)概要： ? 科學(xué)分析事業(yè)（水道水?溫泉?浴槽水?食品?放射能?水質(zhì)?土壌?底質(zhì)?廃棄物?大気?騒音?振動(dòng)?製品検査?品質(zhì)管理分析等） ? 環(huán)境コンサルティング事業(yè)（環(huán)境アセスメント?自然環(huán)境調(diào)査?生活環(huán)境調(diào)査?一般廃棄物コンサルティング?土壌汚染調(diào)査等） ? 廃棄物処理事業(yè)（産業(yè)廃棄物の最終処分）

本記事に掲載の製品はすべて試験研究用です。診斷目的にご利用いただくことはできません。
（Not for use in diagnostic procedures.）

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