農(nóng)業(yè)用乳化剤の會社として1953年に誕生した日本乳化剤株式會社は、今年で70年を迎えます。コア技術(shù)である、酸化エチレン?酸化プロピレンの付加重合技術(shù)や蒸留技術(shù)などを生かし、同社の主力商品は、界面活性剤、グリコールエーテル、アミンなどに広がっています。これらの製品は重要な社會問題の解決にもつながる可能性があります。同社 技術(shù)研究本部 技術(shù)研究所 島村 様、樋浦 様、福嶋 様、三澤 様、生産本部 品質(zhì)保証部 川崎品質(zhì)管理課 西原 様に、日本乳化剤の貢獻(xiàn)やそれを支える分析技術(shù)についてうかがいました。

日本乳化剤株式會社 技術(shù)研究本部

デジタル、生活、環(huán)境分野に欠かせない化學(xué)品

界面活性剤には同社の社名にもなっている「乳化」の機(jī)能があります。乳化とは混ざらない物質(zhì)を均一に混ぜ合わせる機(jī)能のことです。農(nóng)薬の成分が農(nóng)作物に均一に行きわたるようにする目的で使われる乳化剤を皮切りに、界面活性剤の技術(shù)を発展させてきた同社は、現(xiàn)在では300種類もの界面活性剤をラインアップしています。同社の界面活性剤は、農(nóng)薬製剤用だけでなく、塗料、樹脂の助剤、洗剤の主原料など幅広い用途に使われています。

グリコールエーテルは、主に塗料、インク、洗剤、電子材料の溶剤に使用されています。グリコールエーテルの中でもジアルキルグリコールエーテルは樹脂を溶解させるだけでなく金屬を分散させるので、電子材料の溶剤、醫(yī)薬品の合成に使用されています。また、芳香族系、脂肪族系、エステル系のグリコールエーテルは、主にアクリル、ポリエステルなど樹脂原料に使用されています。同社は、この製品群について、世界でも類をみないほど多くの品種を生産しています。さらに獨自の精製技術(shù)により、低臭気?低金屬のグリコールエーテルを生産しています。

アミン製品群の中でアミノアルコールおよびアルキルモルホリンは、國內(nèi)では同社だけが生産しています。アミノアルコールは、大気、水質(zhì)などを改善する環(huán)境資材の基礎(chǔ)原料として使用されており、アルキルモルホリンは、ウレタン及び醫(yī)薬品の合成に使用されています。

私たちの日常生活で使うものに日本乳化剤の社名やロゴを目にすることはありませんが、実は私たちの多くはその恩恵にあずかっているかもしれません。たとえば、半導(dǎo)體や電子材料、洗濯洗剤や柔軟剤、浴室洗剤、ペンキや自動車の塗料、インクジェットプリンタ用のインクなど、日常生活で使われる様々な製品に、日本乳化剤の技術(shù)が使われています。

そして、同社の製品の品質(zhì)を擔(dān)保したり、新たな機(jī)能を持つ新製品を開発したりするのに欠かせないのが分析技術(shù)です。

高品質(zhì)の化學(xué)品をお客様に

同社の品質(zhì)保証部 川崎品質(zhì)管理課では、製品の試験、分析法開発、新たな分析機(jī)器の選定などを行っています?；瘜W(xué)品の製造においては、正しく合成され、適切な製品が製造できているかを確認(rèn)するための試験が必要不可欠です。たとえば、グリコールエーテルやアミンの製造では GC （ガスクロマトグラフ）などを使って純度を測定しています。また、原料や製品の不純物管理を行うことで、萬が一、製品に不純物の混入が起こったとしても、不良品を出荷することがないような管理體制となっています。

また、日本乳化剤の強(qiáng)みとして、低金屬管理された高純度のグリコールエーテルやアミンを提供できることが挙げられます。グリコールエーテルは半導(dǎo)體や液晶などの製造プロセスにおいて、フォトレジスト、剝離剤、洗浄剤、エッチング剤などの溶剤として広く利用されています。同社では、金屬含有量をppt（1兆分の1）レベルに管理した高品質(zhì)なグリコールエーテルを豊富に取り揃えており、構(gòu)造や沸點を広範(fàn)囲で選択可能です。管理を求められる金屬元素はお客様により異なりますが、通常、二十?dāng)?shù)種類の元素を管理するのが一般的です。また、原料調(diào)達(dá)、合成、蒸留を一貫して行いトレーサビリティの體制を整えることで電子材料業(yè)界のお客様からの厳しい品質(zhì)管理要求に応えています。

同社川崎工場と鹿島工場では、ICP-MS （誘導(dǎo)結(jié)合プラズマ質(zhì)量分析計）を使い、低金屬管理製品の試験が行われています。かつては原子吸光光度計で単元素ごとに分析していましたが、20年ほど前に初めてICP-MSを?qū)毪筏蓼筏?。これにより、多元素一斉分析が可能になるとともに、高感度分析も実現(xiàn)できるようになりました。

日本乳化剤株式會社 川崎工場（左）と鹿島工場（右）。
界面活性剤、グリコールエーテル、アミンを生産。

日本乳化剤のコア技術(shù)と製品

微量分析?高感度分析が技術(shù)研究に貢獻(xiàn)

同社の技術(shù)研究本部 技術(shù)研究所は、既存製品の改良、生産工程改良、サンプル試作、新規(guī)製品群の創(chuàng)出など、技術(shù)面で重要な役割を擔(dān)っています。同社の強(qiáng)みは「顧客密著」。お客様からの要望についてはできる限り応えようという姿勢で取り組んでいます。この役割のうち、既存製品の改良、生産工程改良、サンプル試作を擔(dān)うのが技術(shù)開発部です。

技術(shù)開発部では、お客様の要望に基づいて試作した化合物同定や不純物分析などに、GC/MS（ガスクロマトグラフ質(zhì)量分析裝置）を活用しています。お客様の要望に基づいて試作品を合成した際、GC/MSのチャートを見せてほしいという要望を受けることもあります。GC/MSのデータは、お客様のニーズを満たす物質(zhì)を合成したことを示すエビデンスにもなっているのです。感度の高いGC/MSは微量分析でも活躍しているといいます。また、既存製品の改良の例として、低金屬管理品の研究開発があります。既存製品を低金屬管理品として新製品化するのです。その検討過程においては、pptレベルで金屬分析が可能なトリプル四重極 ICP-MS も活用しています。

新規(guī)開発部は、既存製品とは異なる新規(guī)製品群を創(chuàng)出することがミッションです。目的としている化學(xué)品が想定どおりに合成できているかを確認(rèn)する同定目的で分析を行っており、開発のフェーズが進(jìn)むとその化學(xué)品の評価のための分析も行います。新規(guī)開発部では、GCやICP-MSに加えて、高純度品を作る際の不純物分析、副生成物の確認(rèn)用として、液體クロマトグラフ (LC) も使用しています。

アジレントの裝置を幅広く使うユーザーだからこそ分かるメリットとは

日本乳化剤株式會社では、8860 GC、7890 GC、7820 GC、5975 シリーズGC/MSD、1260 Infinity II ?LC、1290 Infinity II LC、7700 ICP-MS、7900 ICP-MS、8900 トリプル四重極ICP-MSなど、アジレント?テクノロジー製の分析機(jī)器を幅広く導(dǎo)入しています。アジレントの分析機(jī)器を使うメリットの1つが、お客様と情報共有しやすいことだといいます。アジレントのICP-MSやGCのユーザーが多いことから、「ICP-MSではバッチファイルを受け渡すだけで、お客様と分析條件をすり合わせることができる」（福嶋様）、「アジレントのこのGCを使っていると言えば、お客様に話が通じる」（西原様）など、お客様とのやり取りが容易になります。お客様と「共通言語」で話せることのメリットは數(shù)値では表しにくいものの、顧客密著を掲げる同社にとっては実感できるメリットとなっています。

また、「LC、GC、ICP-MSを使っているが、どれも同じ操作感覚で使える」（樋浦様）と、ソフトウェアの使い勝手の良さを感じているといいます。福嶋様も「8900 トリプル四重極ICP-MSをメインで使っているが、ソフトウェアが簡単に使える。難しい操作が不要で、一度やってみれば使えるようになる」と話しています。同社では、異なるモデルのアジレントのICP-MSを複數(shù)臺使用していますが、ソフトウェアが共通なので、一度覚えればどの裝置でも同じように使うことができるそうです。また、西原様はアジレントのGCのソフトウェアについて、15年ほど前までは「海外のソフトウェア」という印象で使いづらかったと感じていました。數(shù)年前に展示會やデモでアジレントのGCを見たところ、「直感的に使える」という印象を持つようになり、8860 GCなど、新しい技術(shù)を採用したアジレントのGCを?qū)毪工毳暴`スが増えているといいます。使い勝手の面でアジレントに期待することとして、樋浦様は「メンテナンスがもっと簡単になれば…」と話しています。

業(yè)務(wù)に直結(jié)する情報を入手しやすいこともメリットだといいます。「定期メンテナンスに來たアジレントのエンジニアに質(zhì)問をすると、その場で答えてくれる」、「ICP-MSでうまく測れない元素について営業(yè)擔(dān)當(dāng)に相談に乗ってもらったら、すぐに実績のある分析條件を送ってくれ、問題が解決した」（いずれも福嶋様）と、相談しやすい環(huán)境が整っていることも、アジレントの分析機(jī)器を使い続ける理由になっているそうです。

20年ほど前、同社初のICP-MSとして、Agilent 7500s ICP-MSを?qū)毪筏郡趣韦长趣蛑雿u村様は、當(dāng)時を振り返り、「導(dǎo)入して10年ほどは、アプリケーション擔(dān)當(dāng)者に何度も來てもらったり、電話で問い合わせをしたりして、サポートしてもらった。東京にあるアジレントのラボを訪問して、デモを見たりすることができるのもよい。今では自分たちで使いこなせるようになっている」と語っています。

三澤様は、アジレント主催のセミナーで學(xué)んだ分析の基礎(chǔ)が今でも役立っているといいます。一方で西原様は「アジレントのICP-MSを使うのは簡単だが、干渉金屬をどうやって除去するかなどのノウハウが必要。干渉除去の考え方などをメーカーからもっと教えてほしい」と、アジレントに期待しています。

西原様と、Agilent 8860 GC。グリコールエーテルの分析などに利用(右側(cè)の大きい寫真の説明です)

福嶋様と、技術(shù)研究所で使用しているAgilent 8900トリプル四重極ICP-MS。低金屬管理品の金屬を測定(右側(cè)の大きい寫真の説明です)

島村様（左）、三澤様（右）と、Agilent 5975シリーズ GC/MSD（フロント部は7890 GC）。加熱脫著裝置とにおいかぎ裝置も搭載しており、臭気成分の分析にも活躍しています。(右側(cè)の大きい寫真の説明です)

樋浦様と、Agilent 1260 Infinity II Prime LC。不純物評価や副生成物の分析に利用(右側(cè)の大きい寫真の説明です)

デジタル、生活、環(huán)境分野で、社會課題を解決

日本乳化剤では、將來を見據(jù)えた動きを進(jìn)めています。昨今のデジタルトランスフォーメーション (DX) の流れを受けて、同社でも様々な分析裝置を接続して、分析業(yè)務(wù)の省力化を進(jìn)めようとしています。技術(shù)という観點では、コア技術(shù)である酸化エチレン?酸化プロピレンの付加重合技術(shù)や蒸留技術(shù)などをさらに高めて、デジタル、生活、環(huán)境という3つの重點領(lǐng)域で貢獻(xiàn)していこうと、新たな技術(shù)の開発を進(jìn)めています。

低金屬管理されたグリコールエーテルは半導(dǎo)體?電子部品の発展を支えます。界面活性剤は洗浄剤の主成分であり、工場の洗浄工程を工夫すると省エネや時短につながることがあり、ひいては二酸化炭素 (CO2 ) の排出削減に貢獻(xiàn)します。アミンは、CO2の吸収材としてCO2排出削減につながることが期待できます。世界規(guī)模で進(jìn)むカーボンニュートラルの動きのなか、日本乳化剤の技術(shù)が大きなカギを握ることになるかもしれません。

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