1960年に九州大學(xué)農(nóng)學(xué)部農(nóng)蕓化學(xué)科を卒業(yè)して以來(lái)、約60年間一貫して化學(xué)分析に取り組んできた東北大學(xué)大學(xué)院 環(huán)境科學(xué)研究科 地球物質(zhì)?エネルギー學(xué)研究室のリサーチフェロー 山崎 慎一博士?！袱饯螘r(shí)々で新しくておもしろそうな分析法が出てくる度に試してきました」と自身の”分析屋”としての人生を振り返ります。

東北大學(xué)大學(xué)院環(huán)境科學(xué)研究科

地球物質(zhì)?エネルギー學(xué)研究室 リサーチフェロー

山崎 慎一博士

1994年には「土壌 ? 植物體?水資料中の多量、微量及び超微量元素の機(jī)器分析法の開(kāi)発」という研究テーマで日本土壌肥料學(xué)會(huì)賞を受賞。2001年に東北大學(xué)農(nóng)學(xué)部を定年退職した後も、民間の研究所や國(guó)內(nèi)外の大學(xué)での分析業(yè)務(wù)のほか、エルサルバドル共和國(guó)をはじめとする海外での分析技術(shù)指導(dǎo)など、幅広くそして精力的に活動(dòng)してきました。

今回はそんな山崎博士に、現(xiàn)在使用している分析機(jī)器について、化學(xué)分析の歴史を踏まえながらお話いただきました。また、山崎博士が攜わっているエルサルバドルにおける研究プロジェクトの概要についてもご紹介いたします。

約60年間、常に新しい分析に挑戦しつづけてきた

1960年代から化學(xué)分析に取り組んできた山崎博士。當(dāng)時(shí)は手分析が主流でしたが、新しかったドイツ製の炎光光度検出器で機(jī)器分析も行っていた覚えがあるといいます。その後、原子吸光、プラズマ発光分光、蛍光X線など、次々に新しい機(jī)器分析法が登場(chǎng)するなか、常に新しい分析に挑戦しつづけてきました。

山崎博士は、特に土壌肥料學(xué)分野を中心に分析を行ってきました。これまで対象としてきた物質(zhì)ついて「土壌を研究している人でも、土の中の元素について分析している人はいまだに少ない。私は、窒素、リン、カリウムといった植物の必須元素や、土壌中のカルシウム、マグネシウムといった金屬元素の分析法の改良に著目してきました」と話します。

また山崎博士は、ブラジルやアルゼンチン、パキスタンなど海外において、イオンクロマトグラフィ、ICP-AESやICP-MSを使った分析技術(shù)の指導(dǎo)にも積極的に取り組んできました。そして現(xiàn)在では、國(guó)際的な研究プログラム SATREPSにおいて、中米のエルサルバドルの現(xiàn)地スタッフに対する分析技術(shù)指導(dǎo)を行っています。

エルサルバドルでの地?zé)豳Y源探査に向けたプロジェクト

SATREPSとは、科學(xué)技術(shù)振興機(jī)構(gòu)(JST)と國(guó)際協(xié)力機(jī)構(gòu)(JICA)が共同で実施している地球規(guī)模の課題へ対応する國(guó)際的な科學(xué)技術(shù)協(xié)力プログラムです。山崎博士が現(xiàn)在所屬する研究室の土屋範(fàn)芳教授が代表を務(wù)める「熱発光地?zé)崽綎朔à摔瑜氲責(zé)崽綎摔鹊責(zé)豳A留層の総合評(píng)価システム」では、エルサルバドルの地?zé)幞ē庭毳`利用および地?zé)衢_(kāi)発の候補(bǔ)地の検証?評(píng)価に向けて、効率的で安価な地?zé)崽綎摔蜻M(jìn)めています。山崎博士は、同プログラムにおいて主に現(xiàn)地のスタッフに対して分析技術(shù)の指導(dǎo)を行っています。

「エルサルバドルは、中米の火山がある地帯です。現(xiàn)地で地?zé)崽綎摔蜻M(jìn)めるに當(dāng)たっては、たとえば地下から吹き出してくる水の有害成分について分析を行うなど、環(huán)境モニタリングが必須となります。私は、現(xiàn)地のスタッフが自身で分析を行えるよう、日本でICP発光分光分析裝置(ICP-OES)や蛍光X線分析裝置の使い方を指導(dǎo)しています。測(cè)定する元素は、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムなどが中心になりますが酸性になるとアルミニウムや鉄、硫黃も検出されます。今後は裝置の持つ多元素同時(shí)分析機(jī)能を最大限に利用し、數(shù)多くの元素の分析にトライし、あわよくば、白金族元素等が出てきたらおもしろいなとも思っています」(山崎博士)

今年も3人ほどのスタッフがエルサルバドルから來(lái)日予定だといいます。その際、山崎博士は、メソッドワークシートの作成方法や、導(dǎo)入系の洗浄、ネプライザの取り付け、トーチの取外しなどICP-OESのメンテナンスの方法について技術(shù)指導(dǎo)を行うとしています。

使いやすくても、出てきた數(shù)字を鵜呑みにするのは厳禁

同プロジェクトで活用されているICP-OESは、アジレントの最新機(jī)種であるAgilent 5110です。山崎博士がICP発光分光分析を初めて行ったのは、1980年代。マルチチャンネル型のICP-OESが納入された東北農(nóng)業(yè)試験場(chǎng)にて、蛍光X線分析のために調(diào)製したナトリウムとマグネシウム用の分解液を中心に、毎年300點(diǎn)近い試料の分析を行っていたといいます。

5110 ICP-OES

ICP-OESをはじめ、昔から數(shù)々の分析機(jī)器に觸れてきた山崎博士?，F(xiàn)在使っているAgilent 5110をどうみているのでしょうか。山崎博士は、「以前使っていた他社製のICP-OESに比べて、ソフトウェアの使い勝手は格段に良くなりました。測(cè)定した元素の濃度が畫(huà)面に表示される際、以前の裝置ではそのデータを一旦どこかに移し替えてからExcelに出力するという作業(yè)が必要でしたが、Agilent 5110では、一発でExcelに出力することができます」と、そのソフトウェアの使いやすさについて高く評(píng)価します。

さらに、元素の表示順を目的に応じて変更できる點(diǎn)も便利だといいます。「以前の裝置では、元素はアルファベット順または波長(zhǎng)順に表示されていましたが、やはり化學(xué)分析を行う者としては、原子番號(hào)の順?lè)顺訾筏朴筏?。地球科學(xué)分野の人々からすると、シリカ、チタニア、アルミナ……、と表示してほしいという要望もあります。いろいろな人がさまざまな使い方をするので、表示される元素の順?lè)蚰康膜藦辘袱苼Kび替えることができるAgilent 5110はとても便利です。以前の裝置では、Excelのなかで順?lè)騺Kび替える必要がありましたが、それが不要になったわけですから」(山崎博士)

研究目的に応じ表示順を入れ替えることができる

ただし、欲しいデータを簡(jiǎn)単に得ることができるようになったぶん分、山崎博士は「出てきた數(shù)字を鵜呑みにしてしまってはいけない」と、警鐘を鳴らします。

「現(xiàn)在ではコンピュータが適切に調(diào)整してくれるため、簡(jiǎn)単に欲しいデータを得ることができますが、ICP発光分光分析は本來(lái)鉄だけでも數(shù)千本の発光線があることからも考えられる通り、根本的には難しい分析法のひとつです。數(shù)字で結(jié)果が表示されるとなんとなく正しい気がしてしまいますが、その數(shù)字を鵜呑みにしてしまうと間違いを犯してしまうことに繋がります。

出てきた數(shù)字をそのまま受け入れて論文に書(shū)くのであれば、それは『化學(xué)計(jì)測(cè)』であって『化學(xué)分析』ではないと私はこれまで言ってきました。いま自分が分析している試料はどういうものなのか、どういう元素がどれくらい入っていそうなのかという見(jiàn)當(dāng)をつけて測(cè)定しないと、それは分析とは呼べません。得られた數(shù)値を見(jiàn)て一喜一憂している間は、まだ素人です。出てきた結(jié)果をよく考えて、場(chǎng)合によっては分析をし直すことも必要です」(山崎博士)

長(zhǎng)年化學(xué)分析に取り組んできたからこその説得力ある知見(jiàn)やノウハウを、山崎博士はこれからも、多くの人たちに伝えていきます。