広島県大竹市。錦帯橋で有名な山口県巖國市と隣接する県境の市で、巖國?大竹の一帯は日本の石油コンビナート発祥の地とも言われています?，F(xiàn)在も化學(xué)関連工場が密集しており、ひときわ活況を呈する地域となっています。今回お邪魔したのは、株式會社ダイセルの大竹工場。東京ドーム10個分もの敷地內(nèi)に800人が働くダイセル大竹工場では、(1)自動車用塗裝や電子材料に使われる機(jī)能性樹脂、(2)塗料や化粧品などに使われるエステル?アルコール、(3)食品包裝材や界面活性剤として使われる過酢酸誘導(dǎo)體、(4) 衣料品や染料の原料となるアミン類などが生産されています。大竹工場では、2018年初めに、ガスクロマトグラフ (GC) の管理にネットワーク型クロマトグラフィーデータシステム (CDS: Chromatography Data System) を?qū)毪?、業(yè)務(wù)の効率化を図っています。今回は、導(dǎo)入の背景やその効果について、ダイセルの皆さんにおうかがいしました。

寫真1 株式會社ダイセル 大竹工場

化學(xué)の無限の可能性を信じ、生活の豊かさに貢獻(xiàn)する株式會社ダイセル

セルロイドメーカー 8社が合併して、大日本セルロイド株式會社（現(xiàn)在の株式會社ダイセル）が誕生したのが1919年。今年で100周年を迎える歴史の長い企業(yè)です。同社の事業(yè)はセルロイド製造から始まっています。セルロイドは加工しやすいというメリットがあった一方、可燃性が高いという欠點(diǎn)がありました。當(dāng)時のセルロイドの用途の1つが、映畫用フィルム。貴重な記録映像を長期にわたって保存できるようにするため、燃えないセルロイドを提供したい。そこで開発されたのが難燃性の酢酸セルロースでした。酢酸セルロースを製造するのに必要な酢酸を化學(xué)合成で製造するようになったことから、有機(jī)合成品にも事業(yè)が拡大?，F(xiàn)在では、有機(jī)合成品、セルロース製品、合成樹脂製品（プラスチック）、エアバッグ用インフレータ?防衛(wèi)裝備品などを提供し、化學(xué)の無限の可能性を信じ、人々の生活の豊かさ向上に貢獻(xiàn)しています。ダイセル製品は私たちの身の回りの様々な分野で活躍中ですが、同社の名前と評判をさらに高めることになったのが「知的生産統(tǒng)合システム」「ダイセル方式の生産革新手法」といっても良いでしょう。同社の網(wǎng)干工場で、「次世代型化學(xué)工場」をコンセプトに「人?仕組みの革新」「生産システムの革新」「情報システムの革新」の3つの革新を進(jìn)めました。人の生産性を3倍に、作業(yè)負(fù)擔(dān)を1/5にするとともに、品質(zhì)向上にもつながった活動です。他の化學(xué)メーカーをはじめ、化學(xué)メーカー以外からも參考にしたいという希望が寄せられ、累計で8000人以上が見學(xué)に訪れたといいます。徹底した「ミエル化」が特長の1つとなっているこのダイセル生産革新手法は、大竹工場にも導(dǎo)入され、省人化して、安定的な生産が可能になったといいます。

大竹工場 品質(zhì)保証部の悩み

今回訪問した大竹工場 品質(zhì)保証部では、大竹工場で生産された有機(jī)合成品やセルロース製品の検査業(yè)務(wù)全般を擔(dān)っています。生産された製品が正しくできているかを調(diào)べる工程検査、出荷前にドラム缶などに詰められた製品を一部抜き取って検査する製品検査、開発部門などからの受託分析などを擔(dān)っており、分析するサンプルや目的などにあわせて、GC、液體クロマトグラフ (LC)、滴定裝置などの分析機(jī)器を利用しています。

従來、GCについては、裝置1～2臺に対しパソコンを1臺接続する環(huán)境（スタンドアロン）で利用してきましたが、この環(huán)境ではいくつかの課題が顕在化してきました。

1. GCメーカーが異なると制御するソフトウェアが異なる。また、同じメーカーでも複數(shù)のソフトウェアが存在する。ユーザーがそれぞれのソフトウェアの操作を習(xí)得するのに時間がかかる。
2. 制御用のパソコンや、そのパソコンで動作するソフトウェアに不具合が発生すると、GC自體は正常であっても、分析ができなくなってしまう。製品検査のための分析を行う場合、製品の出荷作業(yè)に影響してしまう。
3. クロマトチャート（クロマトグラム）を印刷し、検査記録帳に転記するのに手間がかかる。さらに、別のシステムにデータを入力する必要がある。転記やデータ入力の際にヒューマンエラーが生じる可能性がある。將來的に、自動で別のシステムにデータを送信できるようにするためには、1つのソフトウェアで複數(shù)のメーカーの裝置を制御できる必要がある。

ネットワーク対応のCDS「Agilent OpenLab CDS」

これらの問題を解決するために導(dǎo)入したのが、「Agilent OpenLab CDS」でした。OpenLab CDSは、クロマトグラフや質(zhì)量分析計の分析メソッドや、分析結(jié)果であるクロマトグラムなどを管理するネットワーク対応のCDSソフトウェアです?！笚蕱瞬块Tの將來像を皆で議論し、検査作業(yè)を機(jī)械化?自動化したいとの意見を中期計畫に反映させ、経営層の支援を得て部門一丸となって取り組んだ?！梗ㄓ袡C(jī)合成カンパニー 大竹生産センター 品質(zhì)保証グループ 前嶋 尚 氏）結(jié)果、導(dǎo)入に至ったといいます。2018年3月の稼動時には、アジレント?テクノロジーのGC「Agilent 7890 GC」 13臺を接続。サーバーですべてのソフトウェアを動かし、ユーザーはリモートデスクトップ経由でアクセスするため、ユーザーのパソコンにはOpenLabソフトウェアをインストールする必要がないのが特長です。また、使用できるGCもパソコンに左右されず、いずれのパソコンからでもネットワーク上のGCすべてが使用できるようになりました。つまり、ネットワーク上のどのパソコンからでもOpenLabが利用でき、すべての端末からすべてのGCが利用できるのです。

寫真3 OpenLabのサーバー、クライアント、そのほか必要なソフトウェアは、このサーバーで動作している。

寫真4 ユーザーは、自席のパソコンからリモートデスクトップでOpenLab CDSにアクセスする。ユーザーのパソコンにはOpenLabソフトウェアをインストールする必要はない。

導(dǎo)入後數(shù)か月で現(xiàn)れた成果

數(shù)か月もすると、いくつかの効果が現(xiàn)れ始めました?！府?dāng)社のお客様が、監(jiān)査のために工場にいらっしゃることがあります。OpenLabで管理していることを紹介すると、非常に興味を持っていただけます」と品質(zhì)保証部の山田 司 氏は話しています。

「分析の依頼者からクロマトグラムを見せてほしいという要求が減少しました」（前嶋 氏）。他部門の人でも自分のパソコンからデータを見られることから、わざわざ品質(zhì)保証部に連絡(luò)して、キャビネットに保管されている紙のクロマトグラムを探してもらう必要がなくなったのです。広大な大竹工場ですから、今までは「ちょっとクロマトグラムを見たい」と思っても、わざわざ自転車で移動しなければならないこともありました。自分の居室からデータを見られるようになったというだけでも、業(yè)務(wù)効率の改善につながっています。山田 氏は、「日付などを指定して、必要なデータにたどり著ける」と検索機(jī)能に満足されています。キャビネット內(nèi)の紙データを探し出すのと比べたら、雲(yún)泥の差と言えるでしょう。

寫真5 キャビネットに保管されているクロマトグラム

使いたいGCが使用中だった場合に、他のGCで分析を行いたい場合もあります?！窸penLabなら、5分もあれば分析メソッドを他のGCにスムーズに移管できる」（山田 氏）と、サーバーで分析メソッドを共有できるメリットを?qū)g感しています。GCの稼働狀況が一覧で見られ、機(jī)器管理の効率化にもつながっています。その一方で心配も?！杆块Tから依頼分析を受けた際、依頼者がOpenLab上で狀況を確認(rèn)して、『まだ試料を裝置にセットしていないではないか』と、督促してくるようになるかも…」（前嶋 氏）と、冗談まじりに話しています。また、2度3度繰り返して、データを取った場合でも、検討の結(jié)果、最初のデータを採用することもあります。「システム上、すべてのデータが殘るので、他部門から『どうしてこのデータを採用したのか説明してほしい』と言われることも出てきます。検査する側(cè)も、説明責(zé)任を果たせるように慎重にならないとなりません?！梗ù笾窆?品質(zhì)保証部長 道津 邦彥 氏）と言います。

寫真6 GCの稼働狀況を「ミエル化」。今後機(jī)器管理の効率化が期待できる。

デジタルデータが蓄積されていくことも、將來的にメリットになると考えています?！附瘠险wが分からない不純物のピークがあったとします。これらがどんどん蓄積されていってから、あらためて解析をかけてみたら、従來は分からなかった何かが見えてくることもあるかもしれません。重要な品質(zhì)改善につながる可能性があります」（前嶋 氏）。紙のデータの場合、キャビネットのなかでデータが蓄積されていっても、そのデータを生かしにくいのです。

表1 ダイセル 大竹工場様が感じているAgilent OpenLab CDSのメリット

ダイセル內(nèi)の他拠點(diǎn)からも反響があると言います。OpenLabについて、他事業(yè)所の研究員に紹介したところ、「これがあれば仕事がはかどるだろうな」という意見も寄せられました。さらに、口コミでそのメリットが社內(nèi)に浸透しつつあります。

ソフトウェアの一本化、手書きの廃止に向けて

第１期はアジレントのGCのみを接続しているため、1つのソフトウェアでメーカーを問わずすべてのGCを制御したいというニーズは満たされていません?！窯CをOpenLabに接続する計畫は、3期に分けて考えています。第1期ではアジレント製のGCを、第2期では他社製GCの一部を、第3期では他社製のGCの殘りを接続するという計畫です。非常に順調(diào)に稼動しているので、第3期では、前倒しでLCも組み込んでいこうとしています。」と山田 氏は話しています。第3期まで進(jìn)めば、複數(shù)のソフトウェアの操作を習(xí)得する時間とコストが削減できるようになります。その後は、OpenLab環(huán)境を上位のシステムとも接続する計畫だといいます。ここまでくれば、手計算?手書き?間違い探しが不要となり、転記やシステム入力に伴うヒューマンエラーも削減できるようになります。

寫真7 第1期では、Agilent 7890 GCシステム 13臺をOpenLabで管理。今後は、他社製GCやLCもOpenLab環(huán)境下で使用していく計畫

ダイセル様にとっても、お客様から製品品質(zhì)や検査部門の管理體制に対する要求が年々厳しくなってきています。社內(nèi)においては働き方改革のもと、従業(yè)員の負(fù)擔(dān)軽減とトレーサビリティーの確保や検査データの改ざん防止を含めた次世代の検査保証體制の強(qiáng)化?構(gòu)築が求められており、そのために検査機(jī)器のネットワーク化は不可欠な手段だったといいます。このたびOpenLabの活用で、「ますます安心で、信頼される検査部門へ変わる大きなチャンスを得た」と感じているそうです。ダイセル様は、今後もIoTを活用した高品質(zhì)なモノづくりを追求していきます。

寫真8 OpenLab導(dǎo)入に関わったダイセル 大竹工場 品質(zhì)保証部および有機(jī)合成カンパニーの皆様と、システム導(dǎo)入に関わったアサヒ情報システム様